ちょス飯の読書日記

 『下町ロケット』 ★★★★☆

下町ロケット

下町ロケット

 直木賞受賞作。経済小説という分野なのか、中小企業と大企業の面子をかけた丁々発止のかけひきが描かれている。
 社員ひとりひとりの思惑も。
 裏切り者の真野が、社長に救われるところは、やや甘い。もっと、現実は厳しく、陰惨だと思う。町工場の倒産や経営者の自殺は、頻繁に起きているご時勢だ。
 しかし利潤追求だけではない仕事もある、そういう経営者もいる。仕事とは何か。飯を食うためだけのものか、それではやっていけない。夢がなければ・・・という佃社長のセリフ。
 そんな会社もある。中小零細企業が、世界トップクラスの技術を持っている日本の下町の工場の心意気を知った。
 そして、最後のロケット打ち上げの場面は、泣けた。

 ただ、男ばかりの物語だったので、もっと女性社員や登場人物の色恋沙汰も加えたほうが面白かったと思うので、マイナス1★