ちょス飯の読書日記

 『みなさん、さようなら』 ★★★☆☆
  

みなさん、さようなら

みなさん、さようなら

 ひとりの青年の、小学校卒業から17年間の成長と団地の衰退を描いている。彼は、小学校卒業式以来、団地の外に出られない。
 大山倍達を知り、常に身体を鍛えているが・・・
 何故、そうなったのかは後半突然分かるが・・・

 団地に、外交人労働者が住み始めるところ、チンピラに苦しめられているブラジル人の母子を守ろうとする姿は、滑稽でリアルだった。
 しかし、遂に目潰しと金的蹴りの練習は、実を結ぶ。

 浜田 岳と田中 圭のキャスティングがどんぴしゃり。多くの人に映画をお勧めする。

 これは、映画化が原作を見事に超えている。ずっと映画の方が出来がよい。母が亡くなってから、外へ出るひきこもりの青年がいると言うが・・・彼は大丈夫だ、と見守ってきた母親の死と、団地からの旅立ち「どこへ行っても大丈夫だから」と書いてあった日記。涙涙。