ちょス飯の読書日記

 『すこぶる奇妙にこわい話』 ★★★★★

 どれも、甲乙つけられない怖い、奇妙な体験談だ。一般公募の、実体験(創作可)の短編集。

 やはり、死んだ人の霊が生きているものに、何かをするというものが多い。怖いけれど、面白い。心が、震えるということも、感動の一つだ。
 狐憑きの娘と可愛がっていた猫の話は、悲しかった。これは、実話かもしれない。何か不幸なことが続くと、「狐が憑いているのだから、叩き出す」という俗信は今も続いている。
 不登校の子も、犠牲になった事件があったほどだ。

 また、認知症の人が、あの世と近くなり先祖の声を聴いて、古い雛に供え物をする話も、しみじみした。
 
 ひとりのプロの作家より、素人それぞれの作風も楽しめる。