ちょス飯の読書日記
『悪霊』3 ★★★☆☆
- 作者: フョードル・ミハイロヴィチドストエフスキー,亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: 文庫
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ひたすら、集中して読みとうとう解説まで読みおおせた。自分に三ツ星。
いきなり、殺人事件が連続して起きる。実験的な小説だ。実際にあった活動家のグループ内の殺人事件が、モデルとのことだが・・・
1.2巻では誰も死んでいないのに、主要人物がほとんど死んでしまうという筋立て。
世直しをしようと、「人間の10分の一が支配者になり自由を享受すればよい。あとのものは、家畜奴隷とする」、という件には驚いたが・・・極論であり実際の世の中を皮肉っているかもしれない。
登場人物の名前が複雑で、どの人がどういう人か最後まで覚えきれず。難解だった。もっと、原文のテーマは変えずわかりやすい書き方の『悪霊』を読んでみたい。他の原稿をもう一冊訳す、と亀山氏は意気軒昂。
殺されてしまうシャートフ。死の直前に現れる彼の妻。3年の別離を経て今にも出産しそうな体で。果たして誰の子なのか・・・わからない。
結局、妻のマリヤは、発狂したようになり、生まれたばかりの男児も呆気なく死んでいく。
作り話の上でも、悪霊に取り憑かれたとはいえ人が次々に亡くなって行くのは、面白くない。豚にのりうつらせて、豚が湖に入水自殺する----という記述が聖書にあるそうだが・・・
誰の物語だったのか、・・・何を描きたかったのか、私にはとうとうわからなかった。亀山先生の解説で、補えたとはいえ。