ちょス飯の読書日記

 『苦役列車』 ★☆☆☆☆ 
 

苦役列車

苦役列車

 これは、面白くない。日雇い港湾労働者となった中卒の貫太が、アルバイトにきた専門学校生の好青年日下部と同学年だと知り、初めて口をききだんだん仲良くなっていくが、・・・・
 貫太の父親が性犯罪を犯してから、当時小5だった貫太が「そこで人生が終わった」と感じて、ひとりで生きている。
 あまりに不幸な境遇だ。タバコと宝焼酎、売淫だけが楽しみで、部屋代を払えなくなると踏み倒す生活。
 日下部の影響で、1日も休まず出勤し貯金も出来るようになり、会社にも認められるようになるが・・・
 日下部に、ブスながら彼女がいることで、貫太の心は沈む。

 これは滑稽でもあるが、あまりに救いがない。

 ワーキングプアーの問題でもなくプロレタリア文学でもなく、「私小説」なのだそうだが、・・・これが、芥川賞にふさわしいとは思えない。