すうちゃんと墓参

 四年前に夫を亡くしたすうちゃんが、墓参に行くから一緒に自転車で行かないか、と昨日誘ってくれた。坂道をだらだらと登らねばならないので、膝痛の自分には無理、バスで行きたいと言うと、大丈夫行けるよ、ということで午前10時。遅番のchosu-pampaと同時に家を出た。彼は、「風が強い、危ない止めておけ」と詮無いことを言う。だけど、どうしても行きたかったから行く。やっとチャンスが来たんだもんね。

 小川に沿って続く道を、どんどん上流に向かってペダルをこぐ。すうちゃんのたくましく速いこぎようはどうだ!ぐんぐん離されてしまう。
 ほんの少し走っただけで、息が上がり疲れてしまうchosu-manma。
 
 けれど、春風がぴゅんぴゅんと吹きお日様は私達を照らして見守ってくれた。
 清らかな流れの川を上から見ながらサイクリングが楽しくなってきた頃・・・・・
 無事、お墓に到着。かねてから読経したかったので、すうちゃんの家の宗旨とは違うようだが、正信偈を読んだ。りんを持たずに行ったのでちょっと残念。

 ああ、四年前に三人の子を置いて旅立ったすうちゃんのダンナ。どんなに悔しかったことだろう。苦しい手術にも耐え復帰するつもりだっただろうに。五十才の若さで病死した友の夫のために、合掌。
 すうちゃんは、貧しい中でも穏やかに三人の子を守り育てています。上の二人はもう社会人だよ。これからも、見守っていて。

 満開の妹背桜の木の下で、昼食を食べた。
 ウインナーとピーマンをはさんだものと卵と昨夜のおかず野菜入りつくねをはさんだホットドッグ。見上げると鞠の様に咲く濃いピンクのふわふわの桜の花が空の青を背景に、風に揺れていた。
 弁当の上にも、花や花びらが落ちてきた。

 お墓は、とても立派なもので黒っぽい横長の御影石、苗字が横書きで彫ってあった。百数十万円以上だろう。一周忌前に購入したという。
 勢至菩薩がお堂の中に鎮座ましましていた。