秋風吹く

 夕べの雨のおかげでずいぶん涼しい朝。
チラシ配布に行くと、川原の草むらにはいつの間にか葛の花穂が伸びていた。早いものは赤紫の花が既に開き始めていた。
 ロンちゃんは、鎌倉彫で葛の花を彫ったそうだが、実物を見たことがないけれど、お手本どおりに彫ったなどと言っていた。
 葛の花がたくさん咲いたらうまい構図で撮って、写メールしてあげようっと。

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 chosu-pampaが、ふと図書館で見つけて以来、猛スピードで『ブッダ』を読み進んでいる。仕事が休みだった今日も、10巻まで読了すると、彼はいてもたってもいられぬのか、図書館に駆けつけ、遂に最終(14)巻まで借りて来たのだった。
 手塚治虫晩年の傑作。最終巻に、手塚が「この作品は完全なフィクションであり宗教SFマンガである」、と書いていた。
 chosu-manmaは、『ブッダ』連載当時高校生の頃から単行本を一冊ずつ買い、読んでいたが・・・・。手塚先生の脚色による人間ブッダの生涯。 ブッダの教えをこどもにもよくわかるように描かれている。背景の美しさ。登場人物ひとりひとりの姿が派手に異なり、表情も実に豊か。その生き生きとした躍動感。コマの中の馬の絵などchosu-manmaには確かに駆け出しているように見える。所々に出てくるユーモア場面も愉快だ。12年もの間書き続けられた作品だという。chosu-manmaもあらためて、ゆっくり読み直してみたくなった。
 
 手塚治虫全集の最終巻でもあり、手塚先生は全集を完結できたことを喜び、編集者に感謝している。しかし、そのわずか二年後永眠。
 もっとゆっくり、のんびり描いてほしかった。

 天才っているのだなあ。