K君の異常

 何故?
54叔父に何度も見舞い、尽くしてきたK君は、叔父の遺骨を拾いに来なかった。そして、その後の初七日法要に出て、夕食を食べた。
 「仕事があったので、自宅に行ってきた」という。

 おかしい。皆、用事があっても、叔父のために駆けつけて、骨が焼けるまで待っていたのに。叔父の骨は、大腿骨が太く立派だった。

 骨壷に足、手、胴体、喉仏、頭それぞれの骨のかけらを順番にふたりずつが箸で入れた。

 ああ叔父は、小さい壷に納まってしまった。残りの骨は、大勢の死者の屍と混ざり合い、土に還る。