23日ピアノ発表会拝聴、24日お礼の絵手紙
23日、知人主催のピアノ教室発表会を聴く。初めて行った会場は小ぢんまりながら、とても豪華な作りのステージと椅子。
ゆったりと、可愛い子から社会人までの彼女の生徒さんの演奏を聴いた。
知人は、一部は黒いパンタロンスーツ、二部は薄紫色の絹のカクテルドレスに、スパンコールの激しく光る黒いボレロ。相変わらず美しく、たくましい弾き方。
24日は、故郷からの柿とりんごのプレゼントに対する返礼の水彩画をそれぞれ一個ずつ、葉書に書く。ピアノの君には、薄ピンクのバラの蕾を、トンボ色辞典のパステル調色鉛筆で。
chosu-pampaも描いてみては?と誘うが・・・・。折角の休日に、やはり彼はため息ばかり吐いて、頭の中が「靄がかかっている」そうで、図書館やショッピングに出かけ。宇宙家族ロビンソン鑑賞。
さて、いよいよこの日が来た。
「chosu-manmaが乳癌かどうかの精密検査結果」を聞きに行く日だ。
友人のHも、恩師のKさんも乳癌を克服され、摘出手術後もずっとお元気に暮らしておられる。
恐れず行こう!
超音波検査を受けて、外科待合で『青べか物語』で先生が蛤や赤貝を大量に掘って大喜びしている場面を読んでいたら「chosu-manmaさん、どうぞ。」と呼ばれる。
医師は素っ気無い態度で「異常ないですね。また来年も検診を受けて下さい。」。レントゲン写真、超音波画像の説明もなく・・・・。30秒。
はあっ。ふはっ。
ちょス飯の読書日記
『青べか物語』 ★★★★☆
- 作者: 山本周五郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1964/08/12
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野蛮で未開であまりに無知・無教養な人々。けれど、温かいまなざしで蒸気河岸の先生(作者)はその人々をスケッチしている。
一番ぐっと来るのは、芦の沼に払い下げて貰った古い船にひとり住む元船長。彼は、一人暮らしだが、ひとりではない。亡くなった初恋の人のくれた京人形を飾り、彼女と話しながら、とても楽しく暮らしているのだった。
その淡い、プラトニック恋が素晴らしい。
貝殻を焼いて、カルシウムの粉にする工場で働く人々の「白い人」のところは、悲しかった。裸で体中の毛を剃って男も女も褌一丁で働くのだが・・・。新入りが、夫ある女に欲情してしまう件。作業中、奇形のように手足が短く異様な姿の女が生理になり血を流すのだが、その匂いに抗しきれず、新入りは襲い掛かってしまうのだった。
おばばに通報され、夫が駆けつけ新入りは、妻から引き剥がされるが・・・。夫に殴りかかり脱走する。
獲物を追うように、社長以下町の若い衆は嬉々として彼を追いかけるのだった。
ものすごく乾いた粉っぽい話だった。
両親が出奔してしまった乞食の娘の話。
子どもらがフナを売りに来る話。
とても沁みる話だった。
森繁久弥主演で映画化されているという。観てみたいものだ。