chosu-manmaの映画評

 

利休 [VHS]

利休 [VHS]

★★★★★
 公開当時は、子育て中で映画を見に行く余裕がなかった。レンタルビデオ屋ができて、昔見られなかった映画を家で見られる時代になった。ありがたい。と思ったら、郵送DVDどころか、ネット配信まで出来る時代となった。だが、お金を払って映画館でじっくり観る方が本当の映画ファンだろう。

 三国連太郎の抑えに抑えた演技より、山崎努のワヤク茶で嫉妬深い秀吉の演技が秀逸。最後の最後まで秀吉に負けなかった。負けないことが、死を賜るとは。

 秀吉は利休の鋭さ、賢さに嫉妬した。

 利休はその手だけで、その場を「美」に作り変えられる。天下取りなど大したことではない。

 日本の風景・葦越しに見る川を舟で下る映像、竹林、また意匠を凝らした苔むした庭、畳の部屋の整然としたたたずまい、すべて美しかった。

 お茶々姫の美しさときたら、この世のものとも思えない、亡き山口小夜子絶頂期の出演だったのだろうか。